会議趣旨説明
井出 慶太郎(対話中国日本支部顧問)
令和7年6月3日
明日6月4日で64天安門事件から36年目を迎えますが、今年は劉暁波氏がノーベル平和賞を受賞してから15年という節目の年になります。劉暁波氏は天安門事件に於いて、学生の立場に立ち、武器を捨てるように呼びかけ、当局と交渉をしました。事件後は繰り返し投獄をされながらも、08憲章を起草し、中国の民主化を訴えてきました。しかし残念ながらノーベル平和賞受賞後も監獄での生活を余儀なくされ、獄中で闘病した後、2017年に61歳の若さで肝臓がんのために亡くなりました。現在は劉暁波氏が08憲章を発表した時よりも、ノーベル平和賞を受賞した時よりも、そしてこの世を去り、旅立った時よりも、中国の人権状況は悪化しています。劉暁波氏のノーベル平和賞受賞15年目の、天安門事件前夜である今日6月3日に、この集会を催すことは、中国の未来、アジアの未来、さらには世界の未来にとって重要な意味があります。今日、講演をして頂く中央大学の及川淳子教授は、劉暁波氏そして08憲章について、日本で最もよく知る人物と言っても過言ではありません。今日は及川教授に加えて、識者、各民族の代表者の方々、国際人権団体の方にも登壇して頂く予定です。どうか最後まで、よろしくお願いします。
井出 慶太郎 東京都出身。早稲田大学大学院博士課程中退。アムネスティ・インターナショナル日本理事を歴任し、現在は対話中国日本支部顧問。英国、フランスに留学経験があり、妻はフランス人。学生時代より難民問題に関心を持ち、中国やアジア地域の人権運動や民主化運動を支援。